2006年6月12日 19:13 私の最高のトレーナー

ダイナミックアドバンスコース(以下DAC)の2日目のことです。
本当に焦りました。あんなに焦ったのは、もう久々のことです。

私はいつも研修の時には、始まる1時間半前に家を出ます。DACの2日目は9時から始まりますので、家を7時半に出ました。通常車で会社まで30分です。1時間余裕をみているわけです。いつものように妻に見送られて「行ってくるよー」と車で家を出ました。

車は通常通りずっと走って、中原街道に出ました。それから500mくらい走ると、少し見晴らしの良い坂に出ます。そうするとなんと、坂の上から環七の方に向かって車が延延と連なっていたのです。
おかしいなぁ、なんだろう・・・そうする内に、車が急にのろのろ運転になってほとんど動かなくなりました。まぁ、いいだろう、なんとかなるだろうと思いながら、CDを聞きながら悠然と構えていました。
ところがちょっと行っては止まり、ちょっと行っては止まり、どうも自然渋滞とは違うようです。そして環七まであと200mというところで、車は完全に止まってしまいました。通常なら、ここから会社までは15分もあれば着きます。最初は悠長に構えていたものの、5分経ち、10分経ち、20分経ち、30分経ち・・・
え、なんだよ、これ。何が起きてんだろう、おっかしいなぁと思い、急遽ラジオに切り替えてみると、交通案内が出ていました。中原街道で事故が起きて、丸子橋から五反田方面までは1時間半かかると言うのです。
え~、冗談じゃないよ!じゃあ、あとどのくらいかかるんだ・・・
長い間中原街道を使っていますが、事故でこれだけ止まってしまうのは初めてです。

今8時20分。あと40分で研修が始まってしまいます。1時間も余裕を持って来ているのに・・・こんなことありえない。今まで22年間、何百回も研修をしてきましたが、本番に遅れたことはただの一度もありません。
よりによって勘弁してよ~!と、頭はもうパニック状態です。
「もし万が一遅れたらどうしよう。落ち着け、落ち着くんだ・・・あっ、そうだ!まず担当ディレクターの渚さんに電話しなきゃいけない」。すぐ車の中から渚さんに電話しました。
「はい、もしもし~、渚です」
「あっ、渚さん?えっと、今事故渋滞で中原街道がめちゃめちゃ混んでてね、ちょっとどうなるか分からないんだけど」
で、渚さん。
「あっ、そうですか、は~い。なんとかしてください。それじゃ」
「えっ、おい、おい、待て・・・」
はぁ~、彼女はほんとに淡白な性格で、結果しか見てないんです、いつも。慰めの言葉とか、頑張ってくださいという言葉を期待していた僕がバカだった・・・

車が動きません。どうしよう。参加者には、絶対に遅れてはいけません、と言ってある。トレーナーの僕が遅れるなんて。研修が潰れてしまうなぁ、信頼を失ってしまうなぁ・・・
待てよ、もし万が一遅れたらどうやって参加者の前に出て行こう。
「やー、おはよう」と明るく出てみようか。白々しいなぁ・・・
「すいません」と謝ってみようか、信頼無くしてしまうなぁ・・・
あっそうだ、最初渚さんに何か実習をやっててもらおうか。でも昨日の帰りに参加者には「明日の9時にお会いできることを楽しみにしています」と伝えてあるし・・・
あぁ青木社長になんて言ったらいいんだ。青木社長、どう言うかなぁ。きっとにこにこ笑って何も言わないに違いない。何も言われないのが一番辛いからなぁ・・・

私共の会社では、社員が研修を受ける場合、もし遅刻した場合にはその回の研修にはそれ以降参加できないという決まりになっています。それは、お客様が色んな思いで研修に参加してくださるのに、それをサポートする社員が遅れるなどということはあってはならないことだからです。実際に私も、社員がダイナミックコースに参加した時遅刻をしたので、それ以降は研修に入れず、また別の機会に入って下さいと戒めたことがあります。
私が遅れたらどうなるんだろう、と色んな思いが頭を駆け巡りました。
突然、ピンポーンと頭に電球が付きました。
「なんで思い出さなかったんだ、やっぱり最後は妻の憲子だ!」

妻の憲子にここまで自転車で来てもらって、私はここから自転車に乗って会社に行き、車は憲子に乗って帰ってもらう。だったらぎりぎり間に会うかもしれない、と思ったのです。憲子、お願い!頼む!急いで妻に電話しました。
ルルルルルルルル・・・
「ヨボセヨ~」(妻は今、「韓流」に凝っているのです)
「あ、憲子?あのさぁ、今大変な事が起きちゃってるんだよ。中原街道で車が渋滞して動かないんだ。研修に遅刻しそうなの。お願い、自転車ですぐ来てくれないかな?僕と交代して、車、代わりに乗って帰って欲しいんだよ」
「え~、嫌よ」
「へ?」
「もし遅れたら、素直に謝ればいいじゃない。私だって忙しいの。じゃあね」
ガチャ。
「ひえ~、な、なんということだ。キッズコーチングには、『夫婦は協力し合うことが一番大事だ』と書いたのに!」

全ての望みは絶たれてしまいました・・・もう私の頭は真っ白です。
とその時、車がススススッと動き出したのです!お、お、お・・・
そして流れが完全に戻ってきました!うっそー!いいぞいいぞ・・・!
そうして環七を過ぎていくと道端に大きなトレーラーに積まれた事故車がありました。
「こいつかー、冗談じゃないよ、気をつけてよ!」と思いながらなんとかかんとか会社に着いたのは8時55分。研修開始5分前です。
そして気分を取り直して、何食わぬ顔で参加者の前に。
「おはようございます」と無事DACの2日目を始めることができました。

休憩時間中に、女房に電話しました。
「いやぁ~、間に合ったよ。5分前に会社に着いたよ」
女房の一言。
「ジタバタしたってダメよ。腹をくくんなきゃ。研修でそう教えてるんでしょう?でも良かったね、じゃあね」
ガチャ。
「・・・へい」

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コメント(4)

佐藤先生へ
 ありがとうございました。
 面白過ぎます。

       向出

佐藤先生へ
 ドキドキハラハラ・・・どうなるんだろう・・・こんな場合は・・・どこからか白馬の騎士が・・・あっ!やっぱり奥さんが
「うん、うん、美しい夫婦愛・・・えっ!!・・・あ~~・・・」
間に合って良かったですね。やっぱり、いつもの心がけが自分をまもてくれるのですね。パンクの時間を見込む・・・改めて学ばせていただきました(^-^)
渋滞の車の横を佐藤先生をめざして、自転車を跳ばしていらっしゃった奥様と感激のリレーをなさってる姿を想像して感動している私がいました・・なるようになる・・ありがとうございました^^藤岡

ははは・・・
佐藤先生、おもしろすぎ!
でも、「腹をくくる」
まさにその通りですよね。
腹をくくらんと現実を創れないですよね。

それにしても、間に合ってよかったですね。
遅れたときの佐藤先生の対応も見てみたい気もしましたが。
大井圭一

いやー、ハラハラしながら読ませていただきました(笑)
渚さんとのやり取りが、目に浮かぶようです!

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