2006年7月 5日 22:24 松下幸之助に学ぶ「リードマネジャー」

上司と部下との関係を考えるとき、いつも私の頭の中に浮かぶ、忘れられないエピソードがあります。
私は以前PHP研究所の東京本社で何度か研修をさせていただきました。
その時、研修の担当者からお伺いした話です。
松下電器では、毎年1月10日に経営方針発表会を行っています。昭和53年の発表会は、特に意義深い日だったそうです。それは、創業60周年を迎えたからです。会社には、社員、関係会社の人達約1000人が集まりました。
その出席者を前にして、松下幸之助は次のような挨拶をしたそうです

今から60年前に松下電器を創業したときは、わずか3人でした。
60年後の今日では、6万人を超える人数になっています。
関係会社を含めると、15万人になっています。
私としては、夢のようです。
私はこの60年間にこれだけの仕事をしてくださった皆さんに心からお礼を申し上げます。

幸之助はこう言うと、演壇から前に歩み出て、3方に深深と頭を下げました。

皆さん、どうもありがとう。
皆さん、どうもありがとう。
皆さん、どうもありがとう。

幸之助が頭を上げる度に、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。素直な幸之助の感謝の心は、会場に深い感動を与えたのです。涙を流す参加者も多かったそうです。

時に松下幸之助、84歳。
和歌山県の農家の三男として生まれ、学力も資力も無いところから松下グループを世界一にのし上げた経営者の、心からの感謝の言葉でした。

部下よりも自分の方がえらいと思っている上司は多いです。
俺が俺が、と利己的な上司も沢山います。
しかし、部下がいるからあなたは上司なのです。
部下がいるからこそ、あなたは上司として素晴らしい仕事ができるのです。
むしろ上司の方こそ、部下に対して時には
「ありがとう」と感謝しなければならないと思います。
部下に感謝できる上司は、部下から信頼され、良い仕事ができるはずです。
昨日、今日と、私はリードマネジメントプログラムをリードしています。
リードしながら、本当のリードマネジャーとは一体どんなマネジャーのことだろうとつくづく考えます。

部下に対して心から「ありがとう」と感謝できる上司、それこそがリードマネジャーではないでしょうか。

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